水洗いのみで洗濯するやり方。洗剤なしでも大丈夫な新常識。 23.03.21  （更新: 23.10.19）

いつも通り洗濯したはずなのになんだか洗濯物がゴワついてる...香りもしないし...と思ったら、洗剤を入れ忘れてた！

こんな失敗は誰にでもあるんじゃないでしょうか？
ここで気になるのが「この洗濯物はもう一度洗い直した方がいいのか？」ということ。
そこで今回は洗剤なしで水洗いしただけの衣類はキレイになるのか？
など、洗濯の時の水洗いに関する情報ご紹介します。

洗濯は水洗いのみでOK？水洗いで汚れは落ちるの？

洗濯する時は通常、洗濯用の洗剤を入れて洗濯します。衣類によっては柔軟剤を使用したり、汚れがひどい時には漂白剤を使用することもあるでしょう。
それが当然のことのように思われていますが、洗剤を使わず水洗いのみで洗濯した場合、汚れは落ちないのでしょうか？
答えはYesともNoとも言えない微妙なところ。

昔に比べて洗濯機の性能も上がってきているので、水洗いのみでも大体の汚れは落ちるようですが、目に見えない皮脂や角質、食べこぼしといったタンパク汚れ・皮脂汚れは洗剤なしでは落とし切れません。 目に見えない汚れも完璧に落とすには、面倒でももう一度洗いなおした方がいいでしょう。

水洗いのみで洗濯した時のメリット・デメリット

水洗いのみのメリット

衣類についた汚れがひどいと洗剤なしではなかなかきれいになりませんが、汚れが軽いものなら水洗いのみでもある程度落とせます。

洗濯を水洗いのみで済ませる最大のメリットは「洗剤のコストカット」。 洗剤を使わなければ当然その分安く洗濯ができます。また洗剤を使わないため、すすぎをする必要もなく結果的に時短にもなります。 （※毎日何度も洗濯する家庭であれば、洗濯機の電気代や水道代もかなり安くなります。）
また、ほとんどの洗剤には汚れを落とすために「界面活性剤」が使用されています。汚れがよく落ちる分、肌への刺激になってしまう場合があり肌荒れの原因になってしまうこともあるため、水洗いのみで洗濯すると洗剤による肌へのダメージの心配もなくなります。

一般的な洗剤で洗濯しただけで肌荒れを起こすことは稀かもしれませんが、肌の弱い人にとっては水洗いのみの洗濯は安心です。

水洗いのみのデメリット

では逆に水洗いのみで洗濯した時のデメリットはというと「汚れがきちんと落とせない」ということでしょう。
食べこぼしやホコリ、子供のつけた泥汚れなど、目立つ汚れはすぐに手洗いすれば落とせそうですが、汗や皮脂といった目に見えない汚れは水洗いのみで落ちているのか見た目では判断できません。また「ニオイ」の問題もあります。
洗濯物につく生乾きの嫌なニオイは「モラクセラ菌」という菌が原因ですが、この菌は汗や皮脂を栄養にして繁殖します。
汗や皮脂汚れやニオイを完全に落とすためには、やはり洗剤を使って洗い直す方が手っ取り早いでしょう。

洗剤の役割

洗剤には汚れを落とす以外にもさまざまな役割があり、それによって服がきれいになります。
何点かあげてみると

など。洗剤の種類によってはこの他にも除菌効果や肌触りをよくする効果、フレグランス効果のあるものなど実にさまざま。

皮脂や角質など油汚れは水に溶けにくく、洗剤の「衣類に水がしみこみやすくなる」「油汚れを包み込んで衣類から引きはがし落としやすくする」効果がないと十分に汚れが落とし切れません。
また水洗いのみだと、洗剤の「ひきはがした汚れが再度衣類についてしまうのを防ぐ」効果がないので、汗以外の汚れは衣類に残ったままの状態になってしまいます。せっかく洗濯しても衣類の汚れを他の衣類に移してしまっていては本末転倒ですよね？

水洗いにも「肌が荒れにくい」「洗剤が節約できる」などの利点があるものの、汚れが残りやすく完全にキレイにするのは難しいということ、また洗剤のもつ役割を考えると洗濯には洗剤を使った方がいいでしょう。

ちなみに洗濯の時に柔軟剤を使う方もいると思いますが、柔軟剤は必要なのでしょうか？
柔軟剤はその名の通り、衣類を柔らかく肌触りよくする目的で使うもの。それ自体に汚れを落とす効果はありませんし、なくても支障はありません。逆に柔軟剤を使用する場合は使用量を間違えると、衣類を汚してしまう可能性があるので注意が必要です。
洗濯した後、衣類に透明なシミのような汚れがついてしまった経験はないでしょうか？
この汚れ、実は溶け残ってしまった柔軟剤が原因の可能性があるんです！この透明なシミのような汚れは油汚れの場合もありますが、水洗いして落ちる場合は柔軟剤がついたシミ汚れなんです。
柔軟剤を使う時は柔軟剤を入れすぎない、入れる時に水で少し薄めて使う、直接衣類にかからないようにするなど、使い方に気をつけましょう。

洗濯機に洗剤を入れ忘れて水洗いのみの状態になった時の対処法

やはり洗濯には洗剤を使った方がいいことはわかりましたが、うっかり洗剤を入れ忘れて水洗いのみになってしまった時はどうすればいいのでしょうか？
時間にも気持ちにも余裕がある時は、迷わず洗剤を入れてもう一度洗濯し直しましょう。なんといってもこれが一番ベストな方法です。洗剤なしで洗った場合、ほとんどの汚れが落ちずにそのまま残った状態。
水道代は気になるところですが、衣類を清潔にするためには仕方ありません。

とはいえ洗い直すのが一番とわかっていても、朝の忙しい時間帯など洗い直す時間がない...そんな時は思い切ってそのまま干してしまいましょう！
間違っても後で洗い直すからと、洗濯機や洗濯カゴの中に濡れたまま放置してはいけません。生乾きのまま放置してしまうと、嫌なニオイの原因「モラクセラ菌」が洗濯機や洗濯カゴの中で繁殖していまい、大変なことになってしまいます！「モラクセラ菌」は一度繁殖すると除菌するのが難しく、いつまでもニオイがとれないなんてことも...。とりあえず干して乾燥させれば「モラクセラ菌」の繁殖は防げます。

干して乾燥させたら、後で洗剤を入れてきちんと洗い直すことも忘れずに。乾燥させたからといってそのままクローゼットやタンスの中にしまってはいけません。
水洗いのみで洗濯した場合、汗は落とせても皮脂やホコリなどその他の汚れは落ちていない状態。その状態の衣類をそのまま収納してしまうと、そこでカビが生えたり嫌なニオイの原因になってしまいます。
洗剤を入れ忘れて洗濯してしまった時は、面倒でももう一度洗剤を入れて洗い直しましょう。

水洗いのみで洗濯する方法

水洗いのみでは目に見えない皮脂やホコリといった汚れやニオイまで落とせないと前述しましたが、時間がない方や電気代や水道代、洗剤のコストなどが気になる方は、毎日洗剤で洗濯する必要もないでしょう。
そのままクローゼットにしまい込む衣類はしっかり洗剤で洗濯してからの方がいいですが、毎日のように着まわしする服はそのうち買い替えることになるので、普段は目に見える汚れとニオイが落ちれば問題なし。 あまり汗をかかない冬場であれば、普段は水洗いのみで洗濯し、2、3日に1回は洗剤を使うという考え方でもいいかもしれません。
大人の衣類と子供に衣類に分けたり、汚れが酷いものと軽いものに分けて洗剤を使ったり水洗いのみにしたり臨機応変に洗濯する方法もあります。

考え方は人それぞれですが、毎日着まわしする衣類などは神経質に考えず水洗いのみで洗濯し、もしモラクセラ菌が繁殖してニオイが取れなくなってしまった衣類はその都度、お湯（※モラクセラ菌は60度以上のお湯に20分程度浸すと死滅する）に浸してニオイを取ることもできます。
ただし、ポリエステルなどの高温に弱い繊維や染料などが使われている衣類は、お湯による殺菌は行わないようにして下さい。

モラクセラ菌に繁殖による嫌なニオイ、いわゆる「ゾンビ臭」の落とし方については下記の記事でもご紹介しています。

洗剤で消えないゾンビ臭を簡単に消す方法